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販売終了製品
ADVAS-PT1
特長
技術解説
特長
構成例
仕様
カタログ・マニュアル
【販売終了】
高精度メカ制御の技術解説
「ADVAS-PT1」の特長である “静かに、素早く、ピタッと止まる”について、この動きを実現する技術の概要をご説明します。
モーター駆動と制御方法
モーター駆動
ADVAS-PT1の駆動モーターには、ステッピングモーターを採用しています。 500°/秒の高速回転を実現するためには、当然ながらモーターのスルー領域(自己起動できない領域)で使用することになります。そのため、自己起動できる低回転から徐々に速度を上げて最高速に到達させる加速運転を行い、また最高速から停止させるために徐々に速度を下げる減速運転を行っています。
加減速運転時は、単純に比例的に速度を変化させていくのが一般的ですが、安定に運転させるには加速と減速に要する時間がかかるために動きが緩慢になってしまいます。そこで、当社独自の加減速カーブを作り出し、機敏な動きを実現しています。(図1)
当社のADVAS-PT1やADVAS-C1は、約0.2秒で最高速の500°/秒に達することができます。
一方、雲台の重要な機能として、極低速回転時にも滑らかに動くことが必須条件です。ステッピングモーターは1パルスで1ステップの離散的な回転を 行うため、単純な駆動方法では連続的な動きは期待できません。ADVAS-PT1ではより細かいステップを得るためにマイクロステップ駆動を行ない、1パルス0.0019°で回転して います(減速比も含む)。これにより、0.33°/秒の極低速回転時でも滑らかな回転を実現しています。
このように低速回転から高速回転まで雲台としての性能を確保できるステッピングモーターは、標準品としては存在せず、当社の仕様にカスタマイズされたものを使用しています。
図1 加減速カーブ比較
制御方法
ステッピングモーターの駆動制御を司る部分は、パン & チルト駆動用モーターをそれぞれに制御する2つのサブCPUと、外部制御装置との通信を行いながらサブCPUに命令を出すメインCPU、計3つのCPUで構成されています。(図2)
各機能に最適なCPUを持たせることで、効率よく機敏な動作を可能としています。
さらに、16のポジションを記憶し、ボタンひとつで任意のポジションに移動するプリセット動作、各ポジションへの移動を自動的に旋回するオートパイロット動作を 実現しています。移動時は、3つのCPUの連携動作によってパン動作とチルト動作が同時にスタートし、同時に停止する斜め移動動作も可能です。
外部制御は、LAN、シリアル(RS-232C)および赤外線リモコンにより制御可能とし、動きのみでなく機能に対しても拡張性のあるインテリジェント化がなされています。
図2 CPU構成
位置補正制御
ステッピングモーターによる駆動は、CPUからの命令に従い指定された量を正確に移動します。しかしながら、不意な外的要因により移動指定した位置からずれが発生した場合、CPUは正確な位置情報を見失ってしまいます。
これを回避するために、ADVAS-PT1には分解能0.04°の光学式のロータリーエンコーダを搭載しています。(写真1)
CPUからの移動命令情報とロータリーエンコーダからの位置情報を比較し、移動の状態を常に認識しています。
2つの情報に差が発生した場合は、移動命令に対して異常な位置にいると判断し、本来の移動命令の位置に自動的に補正移動してくれます。例えば手で強引にパンないしチルトを回転させると、自動的に元の位置に戻します。
写真1 ロータリーエンコーダ
機構系
“静かに、素早く、ピタッと止まる”
の実現には、機構構造にも多くの工夫(こだわり)があります。
ステッピングモーターの欠点の1つに、回転時に振動が発生することがあります。この振動は、取り付けた筺体に伝わり固有の共振音を発生します。これを防ぐために防振ゴムを介在し、筺体から浮かして取り付けることで静音化しています。
ステッピングモーターの回転軸で発生した力は、タイミングベルトによってパン&チルトの回転軸に伝達されます。この時高速回転に必要なトルクを確保し、かつ低速時の滑らかな動きになるように、減速比を最適設計しています。
タイミングベルトによる減速機構は、ギアによる減速と比較してバックラッシュが少なく高精度かつ静かに動作します。(写真2)
パン & チルトの回転軸は、通常安価な回転機構では滑り軸受のみであることが多いようですが、ADVAS-PT1は高い伝達効率と信頼性を確保するため、高精度のボールベアリングを使用しています。このことにより、高速回転時においても無駄なトルクを必要とせず、滑らかかつ軸ブレなしに高精度な回転を実現しています。
図2 内部機構
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